2025 年 58 巻 5 号 p. 262-269
ブレッドフルーツ(BF)果実を利用した新規加工食品の開発を目的として,BF果実を粉末化し,それを用いてポン・デ・ケージョを調製し,その品質と官能特性を検討した。
ポン・デ・ケージョの体積は,BF粉末の置換量が増えるにつれて減少した。また,テクスチャーは置換量が多くなるほど硬くなり,崩れやすくなった。分析型官能評価における食感の評価は,物性測定値と概ね一致した。嗜好型官能評価の味と総合評価は,BF粉末の置換量が少ない方が好まれた。しかし,タピオカでんぷんの50%をBF粉末に置換したポン・デ・ケージョの嗜好性は低くはなかった。これらの結果から,BF粉末の一つの利用法が見出せた。