2026 年 59 巻 4 号 p. 280-288
本研究は,Webアプリケーション教材を用いて,生徒が自らの朝食内容を6つの基礎食品群の観点から把握・可視化したうえで,1日の栄養バランスを考慮した夕食の献立を作成する学習を1時間の授業で実施した。朝食は主食中心で簡便な構成となっており,主菜・副菜の摂取者は半数以下に留まった。夕食では68.5%が基本的な献立構成を満たし,朝食で不足していた食品群の摂取量が増加するなど栄養バランスを意識した構成が見られた。自由記述では朝食に言及した生徒の46.3%が課題を具体的に述べ,32.8%が改善意図を示すなど,課題認識から改善意図へとつながる記述が確認された。一部の生徒においては目標値に近づけることのみを意識し,実際に夕食で食べられる量や料理の相性を考慮していない献立が散見されたが,本実践は生徒が食事バランスの課題を自覚し,食生活改善への意識を形成する契機となる可能性が示唆された。