調理科学
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炊飯に関する研究(第6報)
冷凍中における米飯の組織化学的変化に及ぼす油脂の影響
名倉 育子丸山 悦子梶田 武俊
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1981 年 14 巻 3 号 p. 192-197

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抄録
家庭用冷凍冷蔵庫のフリーザーに白飯,妙飯,ピラフ(オイル・バター)の米飯を市販のラッピーバックに密封し,2ケ月冷凍貯蔵した場合の組織の変化について検討した.
1)油脂を用いたピラフ・妙飯は,白飯より組織の変化は少なく,調理により組織内に侵入した油脂は,冷凍中さらに内部へ浸透していることが観察された.
2)走査電子顕微鏡により,冷凍中の飯粒の状態を観察した結果,2ケ月後においてもピラフは,冷凍前の状態に近く,白飯,妙飯と比べ表面及び内部組織の変化が少ないことが観察された.
3)冷凍中の油脂の酸価,POV値を測定したところ,POV値の変化は比較的少ないが,酸価はピラフではサラダオイルよりバターを用いた方が,また,調理法では米を予め妙めてから炊き込むピラフより飯を妙めた妙飯の方が変化が大であった.
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© 一般社団法人日本調理科学会
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