調理科学
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小麦粉の膨化調理の成績に及ぼす調理条件の影響
保立 純子田辺 洋子
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1984 年 17 巻 3 号 p. 179-184

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抄録

蒸しパンの特性とB.P.の添加量,加水量, 蒸し時間との関係を三元配置法で実験, 解析し, 官能検査による食味と対比させ,次の結果を得た. 1.膨化率に影響を及ぼす要因は, B・P・の添加量と加水量で, B, P.の添加量の多い程膨化率は大であった. 加水量は55%の場合が最高であった. 2.総合的にB.P.4%で, 加水量60%, 蒸し時間5分の蒸しパンが最も好まれた. 加水量50%ではB・P・添加量を増しても蒸し時間に関係なく, 不味で実用に適さないことを認めた. おいしさと膨化率との相関は高くおいしい蒸しパソは膨化の良いことが知られるが, 膨化の良い程おいしいとは限らず適度な膨化が食味向上に連なることを認めた. 3.官能検査による軟らかさ, 弾力性, 切り口のきめと食味の相関はいずれも高い値を示したが軟らかさはγ=0.895と極度に高く, 軟らかさとおいしさは密接な関係にあることが知られた. 蒸しパソは水分の多い程軟らかく, その食味には加水量が最も影響することを認めた.

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