日本調理科学会誌
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米飯の食味評価法の検討―官能検査と理化学的測定結果に対する重回帰分析の応用―
小西 雅子井出 邦康畑江 敬子島田 淳子
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1996 年 29 巻 4 号 p. 254-263

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抄録
31種類の米の詳細な官能検査および理化学的測定を行い,米の総合的なおいしさと物性値の関係を検討した。
1.甘味は,分析型,嗜好型検査ともに総合的な食味との相関が0.88,0.92と高いが,試料間の差が小さかった。
2.味は,味の好ましさと総合的な食味との間に0.95と高い相関がみられたものの,味の強弱と総合的な食味の相関が0.23と低く,かつ分析型と嗜好型検査の相関が低かった。
3.重回帰分析を行った結果,総合的な好ましさは,粘りの好ましさ,甘味の好ましさ,白さ,透明感の4項目で表され,重相関係数は0.97と高い値であった。
4.総合的な好ましさに高い寄与を示す粘りの好ましさ,透明感,白さを理化学的測定値に置き換えた。粘りの好ましさはアミロース,精米の千粒重および整粒率で,透明感はL値と入射角60℃,75℃の光沢度で,白さは白度とb値,で表すことができ,重相関係数は0.87,0.66,0.71であった。
5.米飯の総合的な好ましさは,アミロース比,L値,光沢度(60℃)の3項目で表すことができ,重相関係数は0.76であった。
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