抄録
要約トリアシルグリセロール(TG)とジアシルグリセロール(DG)を主成分とする油を用いて調理し,官能検査を行なった. さらに揚げ油の化学的性状変化を測定した. (1)天ぷら,フライ,鶏の唐揚げ,フレンチドレッシング,クッキーにおいてはTG油の方がDG油より評価が高かった. (2)DG油の酸価は,加熱前TG油よりかなり高かったが,揚げ物による加熱でさらに大きく上昇した. カルボニル価,動粘度は加熱時問と共に上昇したが,いずれもDG油の値が高かった. 過酸化物価,ヨウ素価は両油で差がなかった. 着色はTG油よりDG油の方が速く,強く着色した. (3)DG油にはトコフェロールが添加されているため総トコフェロール値が高かったが,加熱により大きく低下した. 以上の結果より,TG油とDG油を使用した調理の官能検査はTG油の方が好まれた. また,揚げ油に用いたとき,化学的性状の変化はTG油の方が小さく,劣化は小さかった.