日本調理科学会誌
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超臨界炭酸ガス抽出による黒ゴマ油の香気特性
竹井 よう子角田 汎造小泉 幸道並木 満夫
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2002 年 35 巻 2 号 p. 164-171

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抄録
要約妙りゴマの香気の抽出,保持に対するSCEの有効性を検討するため,黒ゴマ焙煎物(160℃ 15分)についてSCEと通常のEEを行い,その抽出物と原料の粉砕物であるGSのヘッドスペースガスをGC分析および官能検査して比較した結果,以下のことが明らかとなった. 1.保持時間が短い香気成分の量は,抽出操作がないGSが最も多く,最も低温で抽出したSCEの2倍以上であった. どの抽出法でも,抽出操作によりMethanthiol, Acetaldehyde, Methanol等,揮発性が高い成分は失われていた. 2.SCE抽出物は20分,90分抽出物共にEE抽出物に比べ,香気成分組成がGSに近かった. 全香気成分量は SCE20分までの抽出物で,EE抽出物の2倍,GSの4倍であり,SCE90分までの抽出物ではGSに近い値であった. SCEの抽出時間が長くなる程,香気成分が薄められるため,抽出時間は90分までで良いと考えられた. 3.EE抽出物にはGSに比べ,ピラジン類,フラン類が多かった. またSCEと比べると,Furfuralが検出されることやPyrroleの含有量が特に多く,香気成分組成がかなり異なっていた. 4.SCE抽出物を再度SCEしても特に香気成分の濃縮効果は見られなかった. 5.官能検査によりSCE抽出物はGSと有意差がなく,EE抽出物よりゴマらしい香りが強く好ましいと判定された. 6.GC分析と官能検査を総合して判断すると,SCEは,有機溶媒を使用する事なく,妙りたてのゴマの香りを濃縮して抽出できることが明かとなった.
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