日本調理科学会誌
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日常献立の魚・肉料理に対する気軽度についての実態分析
日常の献立作りの実態に関する基礎調査(第2報)
貝沼 やす子
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2003 年 36 巻 2 号 p. 170-176

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抄録

1)魚・肉の購入場所はスーパーマーケットが80%以上を占めており,魚は使う日に,肉は数回分まとめて購入する場合が多かった.
2)気軽に使える魚はさんま,いか,さけ,えび,さば,あじ,まぐろ,いわし,ししゃも,ぶりの10種であった.
3)魚は切り身で購入して利用する場合が多く,姿のまま購入するのはさんま,いわし,いか,あじなどの小型の魚の場合であった.次いでさば,いわし,さんまはすべての購入形態での利用が万遍なく行われており,さけ,かつお,まぐろ,ぶり,たらは切り身,総菜(刺身を含む)での利用が多い魚であった.
4)魚は焼く,煮る,刺身で調理されることが多かった.いか,あじ,さけ,いわしは気軽に使われており,多様な調理法に向く魚であると考えられた.一方,たら,ぶり,まぐろ,かつお,さんまなどは料理のイメージが固定していた.
5)豚肉,牛肉は厚切り,ひき肉が,鶏肉では1枚肉,ひき肉が気軽に使われていた.豚肉,牛肉は煮物,煮込み物,焼き物,鍋物などに気軽に使われており,豚肉ではフライすなわち豚カツでの利用も多く,比較的多様な調理法での利用が期待できた.鶏肉は煮物,空揚げでの利用が多く,他の調理法での利用は少なかった.

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