日本調理科学会誌
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フライ油の使用限界に関する研究(V)
パン粉揚げの場合のフライ油の風味点数と揚げ物の評価
井上 吉世石津 日出子伊藤 知子大鹿 淳子梶本 五郎竹井 よう子高村 仁知中原 満子西池 珠子林 淑美原 知子深見 良子福井 広子的場 輝佳水野 千恵村上 恵夜久 富美子湯川 夏子
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2003 年 36 巻 3 号 p. 299-304

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抄録

1)動物性素材の鶏ささ身,植物性素材のじゃがいも何れにおいてもパン粉揚げは,素揚げより油の風味の低下が遅かった.
2)揚げ物の風味はパン粉揚げは素揚げに比べ各揚げ回数ごとの評価は高かった.風味点数3の油で揚げた揚げ物は何れの場合もおいしくないという評価であった.
3)劣化度の数値は,油の総加熱時間,揚げ種の総投入量にともない高くなる傾向にあった.
4)油の風味点数と揚げ油の劣化の指標とされている化学分析値とは必ずしも一致していなかった.このことは,素揚げの場合は揚げ種の油への溶出成分の影響がそのまま出るのに対し,パン粉揚げの場合は衣が溶出成分を抑さえているため油の風味点数への影響が多少遅れるためと考えられる.

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