1)動物性素材の鶏ささ身,植物性素材のじゃがいも何れにおいてもパン粉揚げは,素揚げより油の風味の低下が遅かった.
2)揚げ物の風味はパン粉揚げは素揚げに比べ各揚げ回数ごとの評価は高かった.風味点数3の油で揚げた揚げ物は何れの場合もおいしくないという評価であった.
3)劣化度の数値は,油の総加熱時間,揚げ種の総投入量にともない高くなる傾向にあった.
4)油の風味点数と揚げ油の劣化の指標とされている化学分析値とは必ずしも一致していなかった.このことは,素揚げの場合は揚げ種の油への溶出成分の影響がそのまま出るのに対し,パン粉揚げの場合は衣が溶出成分を抑さえているため油の風味点数への影響が多少遅れるためと考えられる.