抄録
甘味物質(ショ糖)を添加したコーンスターチ糊液のレオロジーおよび熱的特性を静的・動的粘弾性測定,DSC測定,顕微鏡観察により検討した.糊液の粘度は,ショ糖濃度の増加に伴い増加し,20wt%の添加で最高となった.それより高い濃度で粘度は減少する傾向がみられたが,40wt%以上のショ糖添加では粘度はほぼ0定となった.低濃度のショ糖添加による糊液粘度の増加は,ショ糖が澱粉粒子の膨潤を促進させるためであることがわかった.しかし,ショ糖を過剰に添加した糊液では,澱粉の糊化温度が高温側に移行し,澱粉粒子の膨潤が阻害されるために糊液の粘度が低下することがわかった.ショ糖40wt%以上の添加による糊液の粘度は澱粉の増粘効果というよりもむしろショ糖溶液の特性が強く現れた.このようなショ糖高濃度添加糊液の粘度低下は,糊化後にショ糖を添加することにより糊液の粘度低下を避けることがわかった.よってa澱粉糊液にショ糖を添加するほうが澱粉の増粘効果が期待されると考えられる.