ホウレンソウのシュウ酸含量が同じ産地で季節によりどのくらい変動するのか,さらにゆで調理による変化や無機成分の変動について2カ所で調べた. 次の結果が得られた. 1.水分含量は夏期には多く,冬期には少ない傾向だった. それは特に露地栽培で顕著だった. 2.同じ産地,生産者,同じ品種であっても月により総シュウ酸含量は300mg%以上の変動があった. しかし,変動幅が大きい地区と小さい地区がみられた. 3.ゆで後の総シュウ酸の残存率は夏より冬が高い傾向だった. 4.ゆでホウレンソウの遊離シュウ酸の値が高いとえぐみが強かった. 5.K含量とシュウ酸含量は月別変動が同じ傾向を示した. 6.K含量が多いものはシュウ酸含量が多く,えぐみも強いことが示唆された. 本報告の一部は日本調理科学会平成14年度大会において発表した.