日本調理科学会誌
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鶏肉の貯蔵・加熱調理に伴うヒスチジン含有ジペプチド(アンセリン・カルノシン)およびDPPHラジカル捕捉活性の変化
小出 あつみ山内 知子大羽 和子
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2007 年 40 巻 6 号 p. 397-404

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抄録
本研究は,貯蔵及び加熱調理後のアンセリン(Ans)とカルノシン(Car)の含有量およびDPPHラジカル捕捉活性の変化を,ブロイラー(B)・三河赤鶏(M)・名古屋コーチン(K)肉を用いて明らかにした。屠鳥後32時間以内の肉に含まれるAnsとCar量は鶏の種類,部位,飼育状態によって異なった。塊状の胸生肉を7日間冷凍貯蔵(-80℃)してもAnsとCar量は変化しなかったが,ミンチ状の肉を冷凍貯蔵し解凍するとAnsとCarの合計量が有意に増加した。BとK胸ミンチ肉を加熱調理した場合,Ans+Car量は真空調理と茹で加熱(茹で汁を含む)後で減少しなかったが,電子レンジ,蒸し,焼きおよび揚げ加熱後で減少した。DPPHラジカル捕捉活性は,B肉の真空調理,蒸し,茹で,揚げ加熱後では減少しなかったが,電子レンジ加熱で有意に減少し,焼き加熱で有意に増加した。K肉はB肉の変化とほぼ類似した傾向であった。
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© 一般社団法人日本調理科学会
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