抄録
本研究は民間相談室において,対人面,学習面に不安のある小学4年生男児に,3年間で合計45回にわたるカウンセリングと学習支援を併用して行われた支援について,その有用性を検討することを目的としている。本児へのカウンセリングでは,受容・共感的な態度で話を聴き,対人面や学習面でよいところを見つけ,具体的にほめるなどの支援を継続して行った。また学習支援では,K-ABC検査結果などから認知特性に沿った学習支援方針を作成し,一つひとつ順を追って言葉で説明する,聴覚・視覚両面から情報を提示するなど,アセスメント結果に基づく支援を行った。さらに,本児への支援の柱のひとつに母親援助を位置づけ,本児のカウンセリング前の聞き取り,学習支援での同席,月1回程度の室長による母親面接を継続して行った。その結果,本児の対人面,学習面での不安が徐々に軽減され,母親についても本児への対応に変化がみられた。