カウンセリング研究
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原著
自尊感情と自己効力感が大学生の精神科受診意図に与える影響
小池 春妙伊藤 義美
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2015 年 48 巻 1 号 p. 11-19

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抄録
本研究の目的は,自尊感情と自己効力感の精神科受診意図に対する影響を検討することだった。そのため,自尊感情のモデルでは,受診への感情反応を介した自尊感情の受診意図への影響が検討された。自己効力感は,受診行動の容易さと受療行動への自己効力感とに分けて測定され,それぞれの受診意図への影響が検討された。大学生326名に対して,自尊感情,うつ病症例文,精神科受診意図,受診への感情反応,受療行動への自己効力感,受療行動の容易さに関する質問紙調査を実施した。参加者は症例文を病気だと認識できたかどうかで,病気認識群(183名)と非病気認識群(143名)に分けられた。共分散構造分析の結果,(a)自尊感情と自己効力感は精神科受診意図に直接影響しなかった。(b)受診への感情反応を介した自尊感情の受診意図への影響はあったが低かった。(c)受療行動への自己効力感は行動の容易さを介して受診意図に影響していたことなどが示された。以上の結果から,精神科受診率向上のためには,精神科受診に対する否定的態度の改善とともに,受診行動の取り組みやすさの向上も必要であることが示唆された。
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© 2015 日本カウンセリング学会
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