計画策定の際に大和市では、情報空間と現実空間に、それぞれ代表者により構成され、参加制限のある参加機会と、自由参加可能で参加制限のない機会を設置した。そこで、本研究は、情報空間と現実空間、参加制限の有無という4つのタイプの参加チャンネルの役割をプロトコル分析を用いて明らかにすることを目的とする。その結果、以下の二点が明らかになった。1)参加者制限のある空間では、情報空間と現実空間で相互の連続性が成立しており、深いコミュニケーションを行うことが可能である。2)議論の連続性は、参加者制限のある空間から無い空間へと、ほとんど一方通行で成立しており、参加者制限の無い空間はある空間での市民議論を正当化する役割を果たしている。しかし、より深いコミュニケーションを行うためには、参加者制限の無い空間からある空間への議論の連続性を成立させる必要があり、そのために何らかのシステムを組む必要がある。