本研究では、わが国における地域によるプロパティマネジメント方法、特に住宅地における検討のため、英国で住宅地として長い歴史をもつガーデンビレッジ、ガーデンシティ、ガーデンサバーブの例を取り上げて、その管理方法を明らかにした。結果、これらの住宅地では、土地の利用に対する私権を制限し、それによる良好な居住環境を創出することを目指し、リースホールドのカベナントとそれを準用した管理規則をベースとした管理体制と、行政が主導権をとる保全地区制度に住民が意見を言う形で参加する体制がある。前者の場合には、組織の不動産所有が経営の安定と時代の変化に対応した空間要求の変更に対応できている。