抄録
大阪市の地下街には、地下鉄駅や商業施設が多く存在することから、津波などの被害を想定する必要がある。地下街の浸水時は、地上の状況によって使える避難口が変わることや、階段での待ち行列や非常口への迷いがあり、最短経路で避難できることは少ないと考えられる。そこで、本研究では、地下街での円滑な避難に資するため、大阪市梅田地下街において、調査協力者に現地で実際に歩いて避難を行ってもらい、その行動特性を明らかにすることを目的とする。分析の結果、来街者が特定の避難先に集中し、その避難先が満杯だった場合その場所からすぐ近くの施設を探すこと、階段で混雑が発生すること、地上に出ない来街者は避難時間が長いことなどがわかった。