日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集
Online ISSN : 2189-8081
Print ISSN : 1348-592X
ISSN-L : 1348-592X
引揚者寮の運営実態と廃止をめぐる議論に関する考察
- 京都市と城陽市の引揚者寮を対象として -
石黒 壮真阿部 大輔
著者情報
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2023 年 21 巻 p. 65-68

詳細
抄録

本研究では、京都市の高野川寮と城陽市の城南農工場を対象に、引揚者寮の運営実態と廃止をめぐる議論を明らかにした。高野川寮では、住民によって組織された自治会によって運営されていた。廃止をめぐる議論では、早期の廃止を求める土地所有者側と京都府との間と議論となった。所有側は、団地の建設や寮の一部を改修するといった譲歩を行い、土地の返還を求めた。城南農工場は、農地等の共同運営によって、農業コミュニティが結成された。廃止をめぐる議論では、農地の払い下げをめぐり、京都府と一部の住民が対立した。住民にとって農地は今までの生活基盤であり、廃止後の生活に大きく関わるものだった。それが取り上げられることになり大きな反発を招いた。

著者関連情報
© 2023 公益社団法人 日本都市計画学会 関西支部
前の記事 次の記事
feedback
Top