抄録
都市における自己組織化モデルは Krugman(1996)が最初にモデル化を行い周縁都市の創発原理を明らかにしたが、それは数値シミュレーションにとどまるものであった。その後Kumar et al. (2007)が、実際のデータを用いて、Krugmanの自己組織化モデルが企業の集積・分散の予測に応用できる可能性を示した。本稿ではエージェントベースモデルによって、我が国の都市における情報通信業の集積・分散の再現と予測について、東京23区の小地域を対象にシミュレーション分析を行い、自己組織化モデルの有効性を示した。