抄録
従来より公共施設の築造は、設計や施工が行政によって行われ、このプロセスに市民が関わることは考えられていない。その結果、公共空間を介する市民と行政の関係は、苦情と苦情処理というセパレートの関係になったと考えられる。公共空間は、本来、市民のサードプレイスであるべきで、そのためには、市民と行政のパートナーシップの構築が求められる。
そこで、本論では、公園を築造するにあたり、市民の公園への愛着の醸成を目的として、設計の段階から施工、完成後を通して、一貫した市民参加を導入した「キセラ川西せせらぎ公園」を取り上げた。参加した市民の意識の変化を調査し、市民参加が、公共空間への愛着の醸成に寄与することを明らかにした。