抄録
本研究では、大阪府の6つの歴史街道のまちづくり活動の比較結果から、枚方宿地区を調査対象地に設定した。枚方宿地区において、クロス集計による分析を行い、建築物の特徴や修景事業の実態を明らかにした。また、枚方市の関係部局や地域住民へのヒアリング調査により、展開プロセスと活動主体の人的ネットワークを明らかにし、市民主導型まちづくりの実態を把握した。以上の結果から、枚方宿地区は、持続可能な景観まちづくりの手がかりとなる、先駆的な事例として示すことができた。また、街道特有の線的な連続性のある空間形成やコミュニティ形成による、地域への波及効果が期待できると考えられる。