抄録
【現場へのアイデア】フライホイール (FW) スクワットにおける様々な条件下での負荷を明ら
かすることで、トレーニング指導者は最適な処方を決定することができるようになる。
【目的】異なる慣性負荷および2つの実施条件下でのFWスクワット中の力発揮の特徴を明らかに
する。
【方法】実験または測定環境:3次元動作分析システム(VICON13台、250Hz、Kistler社製フォ
ースプレート2枚、1000Hz)。実験参加者:15名の男子大学生バスケットボール選手(年齢:
18.8±0.8歳、体重:80.1±6.7 kg、身長:182.9±5.9 cm)。方法:0.05、0.10、0.15 kgm²(そ
れぞれLサイズのディスク1、2、3枚)の慣性負荷で、「スムーズ」方式または「ディレイド・
エキセントリック」方式(エキセントリック局面開始1/3から負荷を受け止め始める)でFWパ
ラレルスクワットを8回実施した。 測定方法:フォースプレートより鉛直の地面反力を取得し、
モーションキャプチャシステムによりFW上のマーカーを追跡し、ディスクの角速度を取得した。
統計解析:最初の3回と最後の反復は除外した。条件毎に時間で正規化し、50msの移動平均で
平滑化し、データには一般化加法モデル (GAM)を適用した。
【結果】大きな慣性負荷条件ではより大きな地面反力を発揮していた(図)。コンセントリック
局面では通常のスティッキングポイントで地面反力に小さな谷が見られ、動作の約1/3付近で
地面反力のピークが見られた。スムーズ条件のエキセントリック局面では、最も深い部分で地
面反力のピークがみ
られた。ディレイド
条件では、エキセン
トリック局面のピー
クがより早い段階で
見られた。
【考察】エキセント
リック局面での地面
反力のピーク出現地
点は、実施方法によ
って調整可能であ
る。中程度以上の慣
性負荷は、異なる速
度で似た力曲線を生
じさせる。