日本トレーニング指導学会大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2434-3323
Print ISSN : 2433-7773
第13回日本トレーニング指導学会大会
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ポスター発表
ボデイメイク競技者の身体組成と競技成績の経緯
*有賀 雅史澤田 友紀
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 22-

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抄録
【現場へのアイデア】本研究は、ボデイメイクにおける適正な計画的減量法、筋力トレーニン グ法のケーススタディであり、競技と健康的な日常生活との両立についての有意義な情報であ る。 背景:現在、筋力トレーニングの愛好者が若年男性では人口の20%を超えると言われているが、 筋肥大や減量についての科学的検証は少ない。本研究は健康的なボデイメイクを実践検証する ためのケーススタディである。 トレーニング指導の目的:ベストボデイ競技者の身体組成と競技成績の10年間の経緯と検証は、 今後のトレーニング指導の参考例となる。 対象者または対象チーム:筋力トレーニング歴30年以上で過去10年間定期的にベストボデイ競 技会に出場中の現在46歳の健康な男性を対象とした。 方法・期間:2015年から2024年の期間の身体組成、食事記録、筋力トレーニング記録、競技会 での成績を検証した。筋力トレーニングは、競技会に合わせピーキングやテーパリングを考慮 し実施した。主なトレーニング方法は、部位別(肩、腕、胸、背中、下肢)の分割法により計 画し実行した。 測定方法及び分析方法:体重測定および食事記録は毎日実施し、生体インピーダンス法による 身体組成(脂肪量、除脂肪体重など)は定期的にほぼ同時刻に測定記録した。記録競技会の成 績と比較した。また、トレーニング記録はトレーニング量として記録した。各測定値は、期間 ごとに平均値によりその経緯を判定した。 結果:10年間で16回の競技会に出場したが、体脂肪率が6%を境に競技成績の優劣が決定する ようである。近年の競技会では体重が60kg未満、体脂肪率が5〜6%程度のコンデイションが主 観的達成度と実際の成績に合致していた。 考察:本研究の対象者は、10年間にわたり試行錯誤を行い、適正な減量計画(食事摂取量と身 体組成との関係を観察し、摂取エネルギー量と消費エネルギー量の増減の調節と栄養バランス 確認、過度な減量を実施せず体重のリバウンド現象を予防)及びと筋力トレーニングの継続に よるベストボデイ競技において着実に順位を上げ成果を達成してきた。ベストボディでは、絶 対的な筋肉量や身体組成の適正な管理のみだけでなく、審美的ボディバランスやポージング(魅 せ方)の精度も重要であり、これらが競技成績に影響する。  本研究の結果は、ボデイメイクを目指す愛好者や競技者の参考となることが推察される。
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