2024 年 4 巻 p. 63-70
【目的】本研究の目的は地域包括ケア病棟に入院した大腿骨近位部骨折術後患者の退院時における歩行自立可否に影響する要因を明らかにすることである。
【方法】地域包括ケア病棟退院時の歩行自立可否に影響する要因の検討として,目的変数を退院時の歩行自立可否,説明変数を入院時に得られた患者背景情報と評価結果とし,多重ロジスティック回帰分析を用いて検討を行った。歩行自立可否の判別におけるカットオフ値は受信者動作特性曲線を用いて算出した。
【結果】地域包括ケア病棟退院時の歩行自立可否に影響する要因として,入院時のMini Mental State Examination(以下,MMSE)とFunctional Independence Measure(以下,FIM)運動得点が抽出された。退院時の歩行自立可否の判別におけるカットオフ値はMMSEが21.5点,FIM運動得点が49.5点であった。
【結論】入院時のMMSEとFIM運動得点が地域包括ケア病棟退院時の歩行自立可否の判別に有用となる可能性が示唆された。