【目的】人工膝関節全置換術後患者の術後早期における2ステップテストの信頼性と歩行能力評価の妥当性を検討し,歩行自立の基準値を見出すこと。
【方法】人工膝関節全置換術を施行した106名を対象とした。術後1週間後の歩行自立度と身体機能(疼痛と膝関節可動域)を調査し,2ステップテストを含めた歩行能力評価(歩行速度など)を実施した。信頼性は術側と非術側先行の2ステップ値から級内相関係数を求め,系統誤差を検討した。妥当性は2ステップ値と歩行能力,身体機能との相関関係から検討した。ROC曲線から歩行自立を判別する2ステップ値のカットオフ値を同定した。
【結果】信頼性は良好であり,系統誤差も認めなかった。2ステップ値は身体機能より歩行能力と相関関係が強く,歩行自立のカットオフ値を見出せた。
【結論】2ステップテストは人工膝関節全置換術後早期の患者でも信頼性と妥当性があり,歩行自立を判別する基準値を有する歩行能力評価である。