論文ID: 2026-007
【目的】運動イメージに視覚または聴覚の感覚情報を付加した場合に,脊髄運動神経機能および手指巧緻性へ与える影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象は健常成人15名(男性8名,女性7名,平均年齢21歳)とした。安静時にF波測定を行った後,最大随意収縮の50%強度に正確かつ迅速に調整するピンチ課題を実施し,調整に要した時間を手指巧緻性の指標として評価した。その後,運動イメージを実施させ,視覚あるいは聴覚情報を付加した条件下でF波を測定した。運動イメージ後に再度ピンチ課題を行い,手指巧緻性を再評価した。
【結果】両条件においてF波出現頻度および到達時間の改善が認められたが,条件間に有意差はなかった。明瞭性スコアや振幅F/M比の条件間差も認められなかった。
【結論】感覚情報を付加した運動イメージは,脊髄運動神経機能や手指巧緻性の改善に寄与する可能性がある。特に視覚提示が困難な臨床場面において,聴覚情報の付加は一つの実用的な手段として検討に値する可能性がある。