2020 年 11 巻 1 号 p. 1_11-1_18
【目的】産後2週間の母親の心理的健康状態を評価し,助産師による産後2週間健診が心理的健康状態にもたらす効果を検証することを目的とした.【方法】2週間健診を受けた女性を対象に,2016年7月から2017年2月に調査を実施した.心理的健康状態として,育児不安尺度14項目,赤ちゃんへの気持ち質問票(MIBS)10項目,エジンバラ産後うつ評価票(EPDS)10項目を調査し,健診前後で統計学的に比較した.本研究は,千葉県立保健医療大学研究等倫理委員会の承認を得て行った.【結果】調査票256部を配布し,健診前後の調査票が揃った170部(回収率:66.4%)を分析対象とした.健診前後でMIBS得点とEPDS得点には差は見られなかったが,初産婦における育児不安尺度の合計得点(P=0.001),下位尺度の 「イライラの状態」(P=0.001),「育児不安徴候」 (P=0.001)では有意な低下がみられた.【結論】助産師による産後2週間健診は,母親の育児不安の軽減に効果があることが考えられた.