2023 年 14 巻 1 号 p. 1_39-1_46
目的:介護保険施設において,健康問題を持ちながら,療養生活と仕事を両立している老年期の看護職が,就労継続を可能にする工夫を明らかにする.
方法:関東圏内の介護保険施設において,何らかの健康問題を持ち,療養生活と仕事を両立している65歳以上の看護職を対象に,半構成的面接法を用いて調査した.調査は同意を得られた4名に行った.
結果:「健康問題を自覚する老年期の看護職が就労継続を可能にする工夫」について,【気力・体力に合った就業環境の選択】,【自分の強みと弱みを活かした業務調整】,【経験上納得のいく仕事結果の維持】など8つのカテゴリー,23のサブカテゴリー,103のコードが得られた.
結論:介護保険施設において健康問題を持つ老年期の看護職は,心身の状態や強みと弱みを客観的に捉え,パフォーマンスを最大限発揮できる就労環境を選択することで,資源の最適化をし,納得のいく仕事結果を出すという目標設定を行っていた.