本研究では,千葉県内の高齢者施設(介護老人福祉施設,介護老人保健施設,ケアハウス)の代表者を対象に,新型コロナウイルス感染症が施設職員に与えた影響に関する質問紙調査を実施した.介護量については,介護老人福祉施設と介護老人保健施設において増えたと回答した割合が多く,ケアハウスは変化なしと回答した割合が多かった.増えた介護の内容は感染対策や高齢者への介護に関するもの,減った介護の内容は,レクリエーション活動などであった.新型コロナウイルス感染症による職員の労働環境への影響について,業務量,心理的負担,身体的負担の3項目は,8割を超える施設が増加していると回答した.ポストコロナを見据えては,感染対策を継続しながら,面会やイベントの再開を考えているが,再開の時期や方法の判断の難しさに加え,感染対策に要する経費や人件費など経営面での困難もあり,5類に移行しても公的な支援を求める切実な声があった.