【目的】本研究は観察による歩行分析において,理学療法学生が異常歩行の原因を正確に推論するための着眼点を見出すことを目的とした.
【方法】対象は4年次理学療法学生25名であった.対象者は擬似的な異常歩行の動画に対して歩行分析を行い,その内容を自己記入式質問紙に回答した.回答結果から,原因を正しく推論できている回答(正解)とできていない回答(分析不正解)を抽出し,記述内容について計量テキスト分析を行った.
【結果】対応分析の結果,正解では「足底」「Toe off」「膝関節」等,分析不正解では「体幹」「股関節」「正常」「比較」等の特徴語が抽出された.共起ネットワーク分析の結果,いずれの回答においても「右」「左」「比較」が共起し,分析不正解では「正常」も共起していた.
【結論】異常歩行の原因を推論するにあたり,左右差や正常との比較も重要と思われるが,4年次学生においては下肢末梢部の運動分析が重要な着眼点であると推論された.