本研究の目的は,地域包括ケア病棟における看護実践能力向上プログラムを開発することである.
プログラムは2つのSTEPで構成し,STEP1:患者・家族への支援能力を高める,STEP2:地域包括ケアシステムを維持・発展させる連携調整・マネジメント力を高める,とした.プログラムの概要は,オンデマンド講義,事前学習,集合研修である.千葉県内の中小規模病院の地域包括ケア病棟に勤務する看護師を対象として実施し,評価指標は,満足度,プログラムを今後の看護に活かせるか,等とした.
研究参加者は15名であり,看護師経験年数は平均14.6年,地域包括ケア病棟経験年数は3.6年であった.「プログラムを今後の看護に活かせるか」について両STEPともに90%以上の参加者が「そう思う」と回答した.両STEPでは他院の看護職との情報交換,STEP1は退院支援事例のディスカッション,STEP2は自組織の退院支援の仕組みや社会資源の強み等を記載する事前学習が高評価であることが示唆された.