抄録
本研究の目的は,客観的臨床能力試験(OSCE)を適切に行うための国内での取り組みや課題を明らかにし,看護系OSCEにおける適切な評価方法についての示唆を得ることである.医学中央雑誌Web版を用いて国内の25文献を選出して内容の検討を行ったところ,【教員による評価】,【SPによる評価】,【教員・SP・学生による評価】,【評価の適正化への試み】,【OSCE評価に関連する課題】の5つのカテゴリーに整理された.看護系OSCEにおける適正な評価のための具体的課題として,曖昧な表現を避けるなどの項目を含む[評価項目設定],多段階評価や加点方式の評価導入の是非やSPによる評価の扱い方などの内容を含む[評価方法の検討],評価者の主観の排除と客観性の向上などの内容を含む[評価者の育成],SP間の差などの内容を含む[SPの育成],ならびに目的に応じたSPを活用するべきという[SPの活用法]が挙げられた.