千葉県立保健医療大学紀要
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短報
内視鏡治療を受けて在宅療養する消化管がん患者のテレナーシングに対するニーズ
大内 美穂子佐藤 まゆみ
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2015 年 6 巻 1 号 p. 1_25-1_30

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抄録

 本研究の目的は,“情報通信技術を用いた遠隔看護”(以下,テレナーシング)の適用に向けて,内視鏡治療を受ける消化管がん患者のテレナーシングへのニーズを明らかにすることである.内視鏡治療後の消化管がん患者を対象に質問紙調査を実施し,30名の回答を統計的・質的に分析した.その結果,56.7%の患者がテレナーシングを「かなり必要」「まあ必要」と回答した.テレナーシングの必要性を感じる理由は,療養生活で生じた疑問や不安を外来受診に行かずに解決したい,自宅に居ながら相談できれば冷静に受け止められるであった.希望する相談手段は電話,電子メールの順に多く,手軽さや利便性がその理由であったが,相談内容や患者の情報リテラシー等に応じて多様な手段が選択されるべきという理由で2つ以上の手段を挙げた者もいた.テレナーシング利用時の心配は,情報漏えいや自分の気持ちを正確に伝えることへの懸念であった.

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© 2015 千葉県立保健医療大学
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