2015 年 6 巻 1 号 p. 1_31-1_35
本研究は,11大学11名の看護教員に半構成的な面接調査を行い,「採血」の演習方法と技術教育で教員が重視していることについて検討した.シミュレータで実施する場合は,段階的な学習や,技術の原理の理解や確認ができるという教育効果があり,現実に近い場面を設定した演習や,演習可能なシミュレータの準備の必要性がみられた.学生同士で実施する場合は,主体的な学習,患者の立場の理解,実際の体験からの学びという教育効果があり,実施に向けた学生の準備,安全対策・事故対策,演習時間の確保の必要性がみられた.教員が重視していることは,根拠を踏まえた安全な技術,患者に配慮した技術,看護師としての責任・役割,考え方を身につける,自分の動きを分析させる,リアリティを持たせるがあり,「採血」の演習方法に影響していると考察された.