2015 年 6 巻 1 号 p. 1_3-1_10
研究目的は千葉県内に居住する子育て中の潜在看護師の再就業に関する意向を明らかにすることであった.子育て中の潜在看護師を対象に,再就業に対する気持ち,再就業できそうな時期,再就業の際の希望,再就業に関する心配,再就業に必要な条件,活用できる制度について無記名自記式質問紙法を実施した.
分析対象242名のうち,再就業未定者は196名であった.再就業の時期は末子の小学校入学前後かそれよりも早い時期を考えている者が多かった.再就業の希望は,診療所または外来勤務,パートタイム勤務,平日日勤が多かった.再就業に関する心配および必要な条件は,家庭と仕事の両立や仕事のブランクに関連することが多かった.
本研究の対象者は再就業の意向をもつ者が多く,再就業に関する具体的な心配や必要な条件が明らかになった.復職前の研修の充実に加え,より進んだ短時間勤務制度や休暇制度の導入が,子育て中の潜在看護師の再就業を促進するワークライフバランス支援であると考えられる.