千葉県立保健医療大学紀要
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Print ISSN : 1884-9326
報告
慢性疾患患児の学校生活に関する家族から学校への相談内容と話し合いに影響した要因
西野 郁子齊藤 千晶石川 紀子
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2016 年 7 巻 1 号 p. 1_21-1_27

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抄録

 慢性疾患患児の学校生活に関する家族から学校への相談内容と,学校関係者の理解を得られる話し合いが進められた要因を明らかにし,家族と学校関係者との連携に関して医療者が行う支援を検討することを目的として調査を行った.対象者は,慢性疾患のため学校での配慮が必要な小中学生の子どもの母親10名であった.母親に対し,学校での配慮についての学校関係者との相談内容と相談方法,相談についての話し合いの時の考えについて半構成的面接を実施した.
 調査の結果,家族は給食への配慮,体調不良時の対応,行事への参加などの相談をしていた.また,学校関係者に理解を得るための話し合いに影響した要因として,《親からのアプローチの工夫》《子どもの能力に対する親からの保証》《学校側の受け入れへの態勢》《医療者からの支援の活用》が抽出された.親の説明能力を高めることや,個別の病状に合わせた説明資料の作成など医療者による支援が検討された.

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