2018 年 9 巻 1 号 p. 1_37-1_41
本稿は千葉県立佐原病院の看護局及び副師長会と千葉県立保健医療大学の高齢者看護学領域の教員で取り組んだユニフィケーションの報告である.看護局主導のもと「高齢者看護を倫理的な側面から検討する」「各部署の副看護師長を高齢者看護のリンクナースとして,現場の実践力を高めることを目指す」という方向性を持ってスタートした.
約1年間で,副師長対象の集合研修5回,全看護職員対象の集合研修2回,副師長の所属部署での実践研修1回を行った.各研修では,高齢者ケアの倫理やファシリテーション技術に関する講義や事例検討がワールドカフェ,ロールプレイ等の方法で実施された.取り組みの中で,大学教員は看護倫理に関する講義の講師や事例検討のスーパーバイズや高齢者ケアの倫理に関連する話題提供等を行った.取り組みを通して副師長会メンバーの倫理的課題に対する理解が深まり,ファシリテーション技術の獲得がみられた.