抄録
目的:ブレディニン®錠(以下本剤)の関節リウマチ(RA)患者に対する使用実態と安全性,特に腎機能との関連性を確認すること.
対象・方法:1996年から1999年までに実施された企業自主的調査において,本剤が投与されたRA患者の年齢,性別,体重,罹病期間,重症度(Class,Stage分類),合併症の有無および既存のRA治療薬,血清クレアチニンを調査した.同時に本剤の使用実態および副作用発現の有無と種類を調査し,副作用に対する影響因子を評価した.
結果:情報が収集された6309例のうち,女性が77.8%を占め,その平均年齢は62.6±12.1歳であった.本剤の1日平均投与量は133.1±41.4mg,平均投与期間は203.2±111.2日であり,腎機能の低下に応じ,1日あたりの投与回数を減らす方向で投与量が調整されていることが確認された.副作用は690例(10.9%)に発現し,消化管障害,皮膚・皮膚付属器障害が中心を占めた.副作用発現の有無別で有意な差があった因子を用い,多変量解析を行った結果,罹病期間,既存の抗RA薬剤数,クレアチニンクリアランスが有意に副作用の発現と関連することが確認された.
結論:高齢女性のRA患者に本剤を投与する場合,罹病・治療歴や腎機能を評価することが副作用の管理の上で重要であるものと考えられた.