臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 早期関節リウマチ
抗CCP 抗体陽性かつCRP 陰性の診断未確定関節炎の検討
吉永 泰彦相田 哲史西山 進宮脇 昌二岸本 裕樹戸田 巌雄吉原 由樹三好 信也浅沼 浩子
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2010 年 22 巻 3 号 p. 320-325

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抄録
目的:初診時に抗CCP抗体陽性かつCRP陰性の診断未確定関節炎(UA)症例についてRAへの進展率を検討し,ACR/EULARの新しいRA診断基準にも当てはめた.
方法:抗リウマチ薬やステロイド剤の投薬歴のないUA患者の内,抗CCP抗体陽性かつCRP陰性50例の臨床データに関して診療録,画像フィルムよりretrospectiveに検討した.
結果:男性7例,女性43例,当科初診時の平均年齢は48.6±14.8歳.平均25.1±13.9ケ月の観察期間中に,ACR1987年の分類基準を満たしたRAへの移行例は22例(44%).RAへの移行群は,非移行群に比し,初診時有意にRFが高値で,腫脹関節数が多く,観察期間中のCRP陽転率も,JCRの早期RA診断基準充足率も,ACR/EULARの新基準充足率も高かった.
結語:初診時CRP陰性であっても抗CCP抗体陽性のUA患者ではRAへの進展率が高く,RAへの進展群では初診時有意にRF が高値で,腫脹関節数が多い.
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© 2010 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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