抄録
目的:初診時に抗CCP抗体陽性かつCRP陰性の診断未確定関節炎(UA)症例についてRAへの進展率を検討し,ACR/EULARの新しいRA診断基準にも当てはめた.
方法:抗リウマチ薬やステロイド剤の投薬歴のないUA患者の内,抗CCP抗体陽性かつCRP陰性50例の臨床データに関して診療録,画像フィルムよりretrospectiveに検討した.
結果:男性7例,女性43例,当科初診時の平均年齢は48.6±14.8歳.平均25.1±13.9ケ月の観察期間中に,ACR1987年の分類基準を満たしたRAへの移行例は22例(44%).RAへの移行群は,非移行群に比し,初診時有意にRFが高値で,腫脹関節数が多く,観察期間中のCRP陽転率も,JCRの早期RA診断基準充足率も,ACR/EULARの新基準充足率も高かった.
結語:初診時CRP陰性であっても抗CCP抗体陽性のUA患者ではRAへの進展率が高く,RAへの進展群では初診時有意にRF が高値で,腫脹関節数が多い.