臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 実地医療におけるDMARDの治療実態
実地医が知っておきたいRA治療におけるステロイド治療
佐川 昭
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2010 年 22 巻 4 号 p. 410-416

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抄録
   関節リウマチの治療はいまや生物学的製剤が出現してから,大きな転換期を迎えている.従来の治療法から一転して本症は治癒することが可能な疾患のレベルにまで迫って来ている.しかしこれらは早期発症例に限られた話であり,その他の例でもたとえ生物学的製剤を使用しても15~20%弱の例には効き目がない.目的:生物学的製剤および他のDMARDsの効果が発揮されるまでの空白期間の存在や一部の関節のみに炎症が強い時などには,ステロイド薬の適切な使用が必要とされ有効な場合がある.さらに一旦使用し始めたステロイドが効果を現わしたのちには,その副作用の多さから可能な限り速やかな減量を目指すべきことも重要である.このような点からステロイド薬の適切な使用法について検討した.方法:始めにRAにおけるステロイド薬の適応について触れ,現場での少量ステロイド薬の使用例や関節注射例を示し,ステロイド薬の効用について述べた.結果・結論:後半は,一旦使用し効果が現れた例を中心に減量の進め方や成功例を紹介し,生物学的製剤時代におけるRAへの適切なステロイド薬の使用法について私見を述べさせて頂きリウマチ医各人のたたき台とさせて頂いた.
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© 2010 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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