抄録
血管新生因子Angiopoietin-1(Ang-1)は,ERK/MAPキナーゼ系とPI3キナーゼ/Akt系を介してリウマチ性疾患の病態形成に関与する.関節リウマチ滑膜細胞においては,Ang-1の刺激によってAktおよびNFκBの活性化がもたらされ,滑膜細胞のアポトーシス抵抗性獲得に寄与している.また,Ang-1はRhoファミリー低分子量GTP結合蛋白質群も活性化し,滑膜細胞の遊走能を亢進させて骨軟骨破壊を促進させる.一方,新規に同定された269Gry挿入型ANG-1蛋白は,肺血管内皮細胞のERK/MAPキナーゼ系の活性化とendtohelin-1産生亢進を介して混合性結合組織病や強皮症患者に合併する肺高血圧症の病因となることが示唆された.