抄録
関節リウマチ(以下RA)に対する薬物療法は1980年代より疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARDs)が中心に使用されてきたが,2000年代の生物学的製剤の導入により大きなパラダイムシフトが起こった.治療の目標もこれまでの消炎鎮痛から寛解を目指すようになってきている.しかし,生物学的製剤がRA患者のすべてに福音をもたらしているわけではなく,高い薬剤費,効果不十分症例,安全性などの問題もある.さらに,薬物使用法についても問題点があり,たとえば,①どのようなタイミングで生物学的製剤を開始するか? ②寛解に導入された場合中止は可能か? また,生物学的製剤を中止した後はどう対応すればよいか? ③ DMARDsと生物学的製剤の使い分けは? ④ DMARDsの治療は単剤か併用か? などについて明確にする必要がある.
そこで著者らは,米国のTEAR試験を参考に日本のDMARD3剤の併用療法と生物学的製剤との比較を日本リウマチ実地医会を中心に臨床試験(JaSTAR study)を実施することにした.本論文ではDMARDsの併用について文献的考察をするとともにRA患者が真に望む治療方法や薬物療法の方向性についても考察する.