臨床リウマチ
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誌上ワークショップ RAの集約的治療:内科医から見た整形外科医のピットホールと整形外科医から見た内科医のピットホール
RA頸椎病変に対する治療戦略―整形外科医の立場から―
鷲見 正敏
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2011 年 23 巻 4 号 p. 376-382

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抄録
   最近のRA頸椎病変に対する手術成績は,比較的良好で安定したものになってきている.しかし,頸椎病変をきたしたRA症例の全身状態は不良のことが多く,大きい侵襲の手術が適応される機会が多いため,手術を適応するには慎重にならざるをえない.しかし,著者らのRA頸椎病変の自然経過についての前向き調査では,すでに不安定性を認める症例やムチランス変形を認める症例の多くは5年後にさらに強い不安定性をきたすことが判明した.さらには,不安定性を認めない症例であっても,その12.9%が重度の不安定性を発症し,4.3%が脊髄症をきたす可能性を有していた.また,症例を呈示することで,重度のRA頸椎病変例では呼吸麻痺による死亡の可能性があることについて述べた.このように,RA頸椎病変は進行性で,しかも重症になると致死性となる可能性も孕んでいる.このため,軽度であっても脊髄症を呈している症例については,積極的に手術を適応すべきであると考える.ただし,感染や嚥下障害などの術後合併症発生率は他の頸椎疾患のものよりも高いため,術前に手術のリスクについて説明する必要がある.さらに,軽度の脊髄症症例に対して手術治療を考慮する際,術前症状の改善が大きくはならないことについても理解を求める必要がある.
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© 2011 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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