臨床リウマチ
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総説
炎症性関節炎における破骨細胞の制御
篠原 正浩高柳 広
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2013 年 25 巻 2 号 p. 85-92

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抄録
   骨の恒常性は,骨を形成する骨芽細胞と骨を吸収する破骨細胞のバランスによって保たれている.しかし,関節リウマチ(RA)をはじめとする炎症性関節炎では,関節局所における異常な免疫の活性化による炎症により,破骨細胞が異常に活性化し,骨破壊が進行していく.近年,骨代謝学と免疫学の融合領域である骨免疫学の発展に伴ってRAの病態理解も進んできており,破骨細胞の活性化の分子メカニズムも徐々に明らかとなってきた.RAにおける骨破壊を抑制するためには,破骨細胞分化・機能の分子メカニズムを正しく理解し,この分子メカニズムに立脚した治療が必要とされている.本稿では,免疫系による制御を含んだ破骨細胞分化ならびに機能の分子メカニズムを概説し,新たな骨破壊抑制のための治療戦略の可能性を探っていきたい.
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© 2013 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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