臨床リウマチ
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原著
エコーにて治療経過を観察しえたリウマチ性多発筋痛症の3例
長田 侑小林 幸司須田 昭子長岡 章平
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2013 年 25 巻 3 号 p. 185-191

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抄録
   近年,リウマチ性多発筋痛症(以下PMR)の診断の補助としてエコー(以下US)の有用性が示され,2012年のEULAR/ACRのPMR暫定分類基準では,診断の特異度を高める所見として,USでの肩峰下滑液包炎,上腕二頭筋腱鞘滑膜炎,三角筋下滑液包炎,肩甲上腕関節滑膜炎,股関節滑膜炎,転子部滑液包炎が複合して評価項目に採用された.しかし,実際のPMR症例のエコー所見の報告は本邦では少ない.我々は今回USで経時的観察をしえた3例のPMRを経験した.初診時,全例で両肩関節周囲にUS上の炎症所見を認めた.1例で巨細胞性動脈炎を合併していた.臨床症状および検査所見と同様に,US所見はステロイド治療に反応し速やかに改善した.特に,2例においては,血液炎症反応より鋭敏にUS所見が改善した.ステロイド減量中に,1例で無症候性の上腕二頭筋腱鞘滑膜炎をUSで認めた.PMRにおいてエコーは診断だけではなく経過観察においても有用であると思われた.今回上記自験例に文献的考察を加えて報告する.
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© 2013 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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