2013 年 25 巻 4 号 p. 249-254
目的:エタネルセプト長期投与例に対する投与量状況などを調査し,減量状況および減量の可能性を高める背景因子について検討した.
対象・方法:エタネルセプトを2年間以上投与している関節リウマチ患者を対象として,投与量状況および患者背景などについて南大阪リウマチ研究会参加施設にて調査を実施した.
結果:調査協力施設は19施設であり,82例が報告された.主な患者背景は平均投与期間47.1±17.1ケ月(最長91ケ月),平均年齢57.3±13.1歳,平均罹病期間10.6±9.0年であった.エタネルセプトの減量は82例のうち27例(32.9%)にて実施され,減量の状況は25mg/週,25mg/10日,25mg/2週,25mg/3週,25mg/4週であった.エタネルセプト減量群と維持群の背景因子の比較では,罹病期間,Class 1+2の割合,および他の生物学的製剤治療歴の有無において有意差が認められた.一方,年齢,Stageおよび投与前疾患活動性については差がなかった.
結論:罹病期間の早い時期にエタネルセプトを導入すれば,長期投与になった場合に減量できる可能性が高くなると考えられる.