臨床リウマチ
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原著
当院における関節リウマチに対する白血球除去療法の治療効果
日髙 利彦橋場 弥生甲斐 泰文黒田 宏濱砂 重仁
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2013 年 25 巻 4 号 p. 255-262

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抄録
目的:当院における薬剤治療抵抗性関節リウマチ(RA)患者に対する白血球除去療法(LCAP)の治療効果について報告する.
対象・方法:当院にて治療中の治療抵抗性RA患者72例(男10,女性62例)を対象とし,Cellsorba®(旭化成メディカル)を用い,週1回の間隔で5回のLCAPを実施した.毎回治療開始前及び終了1,2ケ月後にACRコアセット,DAS28,SADIおよびCDAIを用いて評価した.
結果:ACRコアセット各項目,DAS28,SDAI,CDAIはLCAP終了1ケ月後には全て有意に改善し2ケ月後も効果が持続した.投与終了2ケ月後,ACR20以上65%,ACR50以上35%,EULAR判定moderate以上75%,good以上24%と治療効果を認めた.LCAP終了2ケ月後のACR改善判定でのACR20,50,70達成率は,いずれもstageⅠ・Ⅱ群がstageⅢ・Ⅳ群に比し有意に高かった(ACR20(stageⅠ・Ⅱ:79%,stageⅢ・Ⅳ:48%,p<0.01),ACR50(46%,21%,p<0.01),ACR70(28%,6%,p<0.05)).7例(9.7%)に軽微な有害事象を認めたが重篤なものは認めなかった.
結論:LCAPはRA治療において有用で,進行する前に使用することが有効と考えられた.
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© 2013 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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