臨床リウマチ
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原著
大阪府下整形外科開業医における関節リウマチ診療の変化 大阪臨床整形外科医会会員アンケート結果 2003年・2008年・2013年の比較から
和田 孝彦冨田 哲也安田 稔人西坂 文章多田 昌弘中島 幹雄宮島 茂夫野中 藤吾乾 健太郎史 賢林常徳 剛
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2015 年 27 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

目的:大阪府下の整形外科開業医における,関節リウマチ(RA)診療の10年間の変遷をアンケート調査した.
対象・方法:2003年・2008年・2013年の3回,大阪臨床整形外科医会会員を対象として,薬物治療を中心にRA診療に関して,無記名方式のアンケート調査を行った.アンケートは郵送により実施し,返信された回答を集計した.
結果:各回の回収率は,2003年は34.7%(139/401件),2008年は31.7%(145/459件),2013年は24.5%(115/469件)であった.
   治療薬剤は,第1選択薬としてメトトレキサート(MTX)が増加し,第2選択薬としてサラゾスルファピリジン(SASP)が増える傾向にあった.逆に,ステロイドの使用は減少していた.
   また,生物学的製剤(Bio)導入率やDisease Modifying Antirheumatic Drugs(DMARDs)併用療法も増加していた.
結論:この10年間に,Bioが相次いで上市され,Bioを積極的に処方する医院も散見された.特に皮下注製剤の使用率が高く,こうした治療の変化を受け,基幹病院や膠原病専門医との病診連携が進んでいた.DMARDsは,そのほとんどが,MTX・SASP・ブシラミン(BUC)・タクロリムス(TAC)に集約され,治療費の高騰もあり,各DMARDsの併用率の増加につながったと考えられた.

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© 2015 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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