臨床リウマチ
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原著
多施設における関節リウマチに対するゴリムマブの治療成績
生野 英祐近藤 正一都留 智巳長嶺 隆二原田 洋
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2015 年 27 巻 4 号 p. 261-267

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抄録
目的:ゴリムマブ(GLM)を効果的に使用するために多施設での使用成績を検討し,有効性と安全性を評価した.
対象・方法:2011年9月から2014年10月までに,当院を含む福岡の5施設でGLMを投与された患者162名を対象とした.診療録を後ろ向きに調査し,有効性の評価にはDAS28-CRPとSDAIを用いた.対象患者は,Switch群とBio naïve群,GLM 50mg群と100mg群,MTX併用群と非併用群に分けて検討した.
結果:Switch群と比較して,Bio naïve群は寛解率が有意に高かった(p<0.005).Bio naïve群はSwitch群と比較して,効果発現が早い傾向にあった.長期的には,MTX併用群の方が非併用群よりも治療効果が有意に高かった(p<0.05).GLMの投与量で比較すると,50mg群の方が100mg群よりも有意に改善していた(p<0.05).調査期間中に重篤な有害事象の発生はなかった.
結論:GLMは他の生物学的製剤と同等の効果と安全性を有しており,他剤で効果が得られなかった患者やMTXが併用できない患者にも効果的な薬剤である.
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© 2015 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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