臨床リウマチ
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原著
当科におけるリウマチ性多発筋痛症の臨床的特徴と治療の検討
松井 聖野上 みか橋本 尚明西岡 亜紀關口 昌弘東 直人北野 将康岩崎 剛佐野 統
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2016 年 28 巻 2 号 p. 135-142

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抄録

目的:リウマチ性多発筋痛症(PMR)は,高齢者に発症する原因不明のリウマチ性疾患である.Birdらの診断基準により診断され半年以上診断の変わらなかった患者79名を対象に臨床的特徴と治療について検討した.
対象と方法:2003年10月から2010年2月までBirdらの診断基準により診断され半年以上診断の変わらなかった患者79名を対象とし,後向きに検討した.検討項目は,Birdの診断項目合致率,検査データはCRP, ESR, IgG, CH50, MMP-3と各種自己抗体を検討した.また,ステロイド剤の初期治療量およびステロイド剤の初期治療量と診断項目合致数との相関,ステロイド剤の初期治療量と検査値の相関を検討した.
結果:プレドニゾロンの使用量は14.3±5.7mg/dayで,検査値や診断項目数の相関はなかったが,抑うつ傾向や体重減少と男性の方で使用量が多い傾向にあった.結論:ステロイド剤の初期使用量は検査データよりも臨床的兆候に起因して用いられる傾向が強かった.

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© 2016 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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